2009/07/01
10:33:01

先日、産経新聞(2009/06/28)に『周回遅れの「骨太'09」財政再建』という題名のコラムが出ていました。興味深い内容でしたのでご紹介しますね。
内容としては、今年度の債務残高は対GDP比で168%に達し、その深刻さは欧米と比較するとよく分かるということです。
今回の同時不況の震源地の米国の債務残高は対GDP比で78%、英国、フランス、ドイツ共に債務残高は60%台と日本に比べると悪くないのです。そう言った意味では、皆さんが思っている以上に深刻です。
ここからの記事が重要ですので、書きますね。
「こうしてみると日本の財政健全化は欧米の背中が見えなくなるどころか、完全な周回遅れとなったといっていい、いや、実態はもっとひどい。目標に使っている指標が違うからだ。」
「日本は基礎的財政収支だが、これは公債関連の収支を除いたものであり、利払い費は含まない。だから、この収支が均衡しても利払い費の分は債務残高に積み上がり、悪化は止まらない。」
「欧米は利払い費を含んだ財政収支を使っている。なのになぜ、日本だけ骨太06から基礎的財政収支を指標にしてきたのか。かつて経済協力開発機構(OECD)のエコノミストから、それを不思議がられたのを思い出す。」
「指摘したように日本の財務残高は突出しており、国債の利払い費だけで毎年、10兆円前後に上る。これを含む財政収支より基礎的財政収支の方が目標としては達成しやすい。
そこには国内的に財政健全化をアピールしたい政治的意図があったとしか思えない。」
「今回の新目標は債務残高対GDP比を重視した。ならば、財政収支を一方の指標としなければ筋が通るまい。でないと、見た目以上に財政が悪化していることも国民には分からない。」
「国債の利払い費だけで毎年、10兆円前後に上る」ということは1%前後で現在は抑えられている長期金利が5%程度に上昇したら、税収が全部利払いだけで消えることになります。
日本の財政はまさに”自転車操業”なのです。
エコノミストの中には「日本は先進国だから絶対に財政破綻はしない」と言っている人もいますが、自分としてはこれらの意見に懐疑的です。
上記のような状況からも、資産を日本円だけで持っているのは危険だと思われます。
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