2012/05/04
20:30:43

4/29の日経ヴェリタスに興味深い記事がありましたので、今回はこれを取り上げることにしました。
自分は全く興味がないのですが、「毎月分配型投資信託」に投資をしている人は結構いるのかもしれません。実は自分の知り合いにも「グローバル・ソブリン・オープン」を購入している人がいました。
上記の記事によりますと毎月分配型投資信託の人気が陰り始めたとのことです。
これらの商品は高金利の外貨建て資産を運用することで年率10%〜20%もの高い分配金を支払う商品も多く、記事の真ん中右表の「1年間の分配率」をみてもけっこうそうした投資信託があるようです。
ところが、運用成果の不振から減配が相次ぐようになり、資金の流失が継続しているようなのです。
ここまでは、それでも普通のことなのです。これだけであれば、わざわ自分のブログで取り上げるほどのことはありません。
問題はここからです。毎月分配型投資信託の多くは、運用収益を超えて分配金を支払っているという実態です。
「グローバル・ソブリン・オープン」を例に挙げてご説明すると、1年間の運用成績は+0.8%、それに対して1年間の分配率は7.8%となっていることが分かります。
『年間にたった0.8%しかパフォーマンスはプラスになっていないのに、7.8%もの分配金を支払ってしまっている』ということなのです。この差7%の分配金の資金の出所は顧客の投資元本そのものなのです。
元本を取り崩して、分配に当てているという本末転倒のことをしているというのです。
これは、悪口的に言えば、詐欺的手法に近いのではないかと思っているのです。
この手法は投資信託法で認められているのですが、仕組みを理解していない個人投資家にとっては分配金全額が運用成果と誤解すると思われます。(ほとんどの一般投資家はそうだと思います)
分配金のうち元本の取り崩し部分を「特別分配金」と表示しているようですが、これに関しても金融庁から「ボーナスのようなものだと誤解する投資家が多い」との理由で問題視をされ、「元本払戻金(特別分配金)」と表示するように指導されているようです。これは当然だと思います。
毎月分配型投資信託を購入されている方の多くは、年金の足しになるように毎月分配を期待していると思われます。まさか投資元本から分配金が払われていると思っている人はほとんどいないでしょう。
自分の知り合いもやはり特別分配金に関しては、「予想以上の運用益が出たために分配金が増えた」と思っていました。投資信託法で認められているとは言え、特別分配金という名称は早急に修正するべきです。
また、毎月分配型投資信託へ投資をしている人は、実際に自分が投資をしている投信の運用成績と分配金を再確認しておく必要があります。それにより、今後も投資を継続して行くべきか、乗り換えるべきかを選択する時期に来ていると思います。
ちなみに、毎月分配型投資信託は中長期に資産を増加させていくという目的からみると不利な商品です。
なぜなら、分配金には税金が掛かるために、仮に再投資をしたとしても、無分配型の投資信託に比べると再投資金額が減額してしまうからです。
資産運用効果を大きくするためには、分配せずその分も再投資をする(つまり無分配型)運用の投資信託(ファンド)の方が有利だということになります。
このブログを見ていらっしゃる方には、釈迦に説法だったかもしれませんが、GW中の息抜きと思っていただけると嬉しいです。
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