2012/05/28
13:45:36

ユーロの憂鬱と題して、ギリシャ問題を中心に書いてきましたが、今日は段々とクローズアップされてきたスペインの問題について取り上げてみたいと思っています。
今週の日経ヴェリタスに興味深い記事が載っていましたので、そこから引用しながら今後のスペインについて考えてみます。記事によりますとスペインには5つの大きな問題点があるようです。
1つは経済成長の低迷、2つめは失業率の高さ、3つめは国の財政再建の遅れ、4つめは地方財政の悪化、そして5つめは金融システムの不安です。
詳しいことは記事を読んでいただくとして、2012年の経済成長率の予測が-1.9%であり、それに伴い失業率が24.7%もの高い数値となっています。驚くなかれ若年層に限って言うと50%を超えるくらいの失業率だとのことです。
また、ギリシャ同様国民の反対から、緊縮財政措置の延期がなされたようで、これも財政再建の遅れを示すものとして不安感が広がっています。
そして、地方財政の悪化はバレンシア州の対民間債務の支払い遅延やゴミ収集サービスにまでも影響しているようです。
先週には「大手銀行のバンキアがスペイン政府に対して、190億ユーロの追加資金援助を要請した」というニュースもありました。このように金融システム不安も徐々に迫りつつある問題の一端を表しているといえます。
銀行全体の損失もBNPパリバ証券が算出した最悪シナリオでは、2,710億ユーロ(約27兆円)となるようです。現在の引当金などを差し引いた上での必要額は900億ユーロとなり、FROB(銀行業界再編基金)の規模とほぼ同じ額となってしまいます。
これでは金融システムの安心感を打ち出すには不十分な金額と思われ、市場の評価も上昇しません。今後スペインの金融システムがどのような対策を打ち出してくるのか?見守って行く必要がありそうです。
それによっては更なる危機が起こらないとも限りません。
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