2012/08/26
12:26:58
JB Pressに英エコノミスト誌の記事「スロベニア経済:次に救済される国?」の日本語訳が出ていましたのでご紹介します。
内容はといいますと・・・
『スロベニアは17カ国から成るユーロ圏で救済を必要とする6番目の国(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、キプロス、スペインに続く国)になるとの懸念が高まっている。
救済が必要になったとしても、ユーロ圏の救済基金にとっては小銭のようなものだ。スロベニアの人口はわずか200万人で、360億ユーロ規模の同国の国内総生産(GDP)はユーロ圏のGDP全体の0.4%と、辛うじて識別できる程度だ。
そのような救済はユーロ圏にとって、かすめるくらいの打撃にすぎない。何しろユーロ圏は、景気後退に向かっており、もっと大きな心配の種を抱えている(ユーロ圏のGDPは第2四半期に0.2%減少し、第3四半期もマイナス成長になると見られている)。
それでも、さらにもう1つの国を未知の世界へ追いやることは重要な意味を持つ。スロベニアが倒れたら、ユーロ圏内で支援を必要とする初の元共産主義国になる。そして再び、ユーロ圏参加という名誉の印が屈辱の印になるのだ。
スロベニアの連立政権は、救済は避けられると強調している。だが、これはお馴染みのメロディーであり、結局、支援が要請された時の不幸な旋律も同様だ。長期国債の利回りはここ数日で7%を突破し、これまでの救済に先立った節目を超えた。主要格付け機関3社は皆、今月に入りスロベニアの国債格付けを引き下げた。
アイルランドとスペインのケースと同じように、スロベニアの主な弱みは銀行だ。不良債権の水準は高く、急激に増加している。外国の債権者が怯え始める中で、銀行は欧州中央銀行(ECB)が供給する流動性に大きく依存するようになっている。
政府は最近、既にほぼ国有化されている国内銀行最大手ノヴァ・リュブリャンスカ・バンカに対し、GDPの1%に相当する3億8000万ユーロを注入せざるを得なくなった。格付け機関のフィッチは、銀行の資本不足を埋めるために、スロベニアはさらにGDP比8%相当の資金を捻出しなければならないと考えている。
スロベニア政府自身が外国から資金を呼び込めるのであれば、それも可能かもしれないが、3年にわたる大幅な財政赤字(2009年から2011年にかけてGDP比6%前後)や、銀行問題もあって急増する債務への懸念から、政府も外国人投資家に敬遠されている。スロベニアもまた、ユーロ危機をこれほど解決困難にしている、弱い銀行と弱い政府との致命的な関連の犠牲者なのだ。
やはりお馴染みの展開として、スロベニアは手に負えなくなった好況の代償も払っている。スロベニア経済は2004~06年に平均して年間5%近い成長を遂げ、2007年には成長率がほぼ7%に達した。経済成長の急激な伸びの原動力となったのは債務で、特に企業の債務、中でも建設業の債務が大きかった。
スロベニア企業の負債比率は、2000年代初頭にはユーロ圏平均を下回っていたが、2000年代末には平均を大きく上回っていた。そのツケが招いた2009年の深刻な景気後退と2011年以降の新たな景気下降局面は、数年にわたる好況期が覆い隠してきた弱点を露呈させた。
政府は幅広く経済にかかわっており、特に銀行への関与は著しい。製造業は基礎的な産業に過度に依存している。その理由の1つは、企業からの外国直接投資(FDI)をあまり呼び込めなかったことだ。
スロベニアが結局、救済資金を受けるにせよ受けないにせよ、ユーロ圏というクラブ内で繁栄していくためには、痛みを伴う改革に取り掛かる必要がある。』
ユーロ危機も収まること無く、次なる火種が出てきたようです。
今後のスロベニア経済の動きにも注視していく必要がありそうです。
内容はといいますと・・・
『スロベニアは17カ国から成るユーロ圏で救済を必要とする6番目の国(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、キプロス、スペインに続く国)になるとの懸念が高まっている。
救済が必要になったとしても、ユーロ圏の救済基金にとっては小銭のようなものだ。スロベニアの人口はわずか200万人で、360億ユーロ規模の同国の国内総生産(GDP)はユーロ圏のGDP全体の0.4%と、辛うじて識別できる程度だ。
そのような救済はユーロ圏にとって、かすめるくらいの打撃にすぎない。何しろユーロ圏は、景気後退に向かっており、もっと大きな心配の種を抱えている(ユーロ圏のGDPは第2四半期に0.2%減少し、第3四半期もマイナス成長になると見られている)。
それでも、さらにもう1つの国を未知の世界へ追いやることは重要な意味を持つ。スロベニアが倒れたら、ユーロ圏内で支援を必要とする初の元共産主義国になる。そして再び、ユーロ圏参加という名誉の印が屈辱の印になるのだ。
スロベニアの連立政権は、救済は避けられると強調している。だが、これはお馴染みのメロディーであり、結局、支援が要請された時の不幸な旋律も同様だ。長期国債の利回りはここ数日で7%を突破し、これまでの救済に先立った節目を超えた。主要格付け機関3社は皆、今月に入りスロベニアの国債格付けを引き下げた。
アイルランドとスペインのケースと同じように、スロベニアの主な弱みは銀行だ。不良債権の水準は高く、急激に増加している。外国の債権者が怯え始める中で、銀行は欧州中央銀行(ECB)が供給する流動性に大きく依存するようになっている。
政府は最近、既にほぼ国有化されている国内銀行最大手ノヴァ・リュブリャンスカ・バンカに対し、GDPの1%に相当する3億8000万ユーロを注入せざるを得なくなった。格付け機関のフィッチは、銀行の資本不足を埋めるために、スロベニアはさらにGDP比8%相当の資金を捻出しなければならないと考えている。
スロベニア政府自身が外国から資金を呼び込めるのであれば、それも可能かもしれないが、3年にわたる大幅な財政赤字(2009年から2011年にかけてGDP比6%前後)や、銀行問題もあって急増する債務への懸念から、政府も外国人投資家に敬遠されている。スロベニアもまた、ユーロ危機をこれほど解決困難にしている、弱い銀行と弱い政府との致命的な関連の犠牲者なのだ。
やはりお馴染みの展開として、スロベニアは手に負えなくなった好況の代償も払っている。スロベニア経済は2004~06年に平均して年間5%近い成長を遂げ、2007年には成長率がほぼ7%に達した。経済成長の急激な伸びの原動力となったのは債務で、特に企業の債務、中でも建設業の債務が大きかった。
スロベニア企業の負債比率は、2000年代初頭にはユーロ圏平均を下回っていたが、2000年代末には平均を大きく上回っていた。そのツケが招いた2009年の深刻な景気後退と2011年以降の新たな景気下降局面は、数年にわたる好況期が覆い隠してきた弱点を露呈させた。
政府は幅広く経済にかかわっており、特に銀行への関与は著しい。製造業は基礎的な産業に過度に依存している。その理由の1つは、企業からの外国直接投資(FDI)をあまり呼び込めなかったことだ。
スロベニアが結局、救済資金を受けるにせよ受けないにせよ、ユーロ圏というクラブ内で繁栄していくためには、痛みを伴う改革に取り掛かる必要がある。』
ユーロ危機も収まること無く、次なる火種が出てきたようです。
今後のスロベニア経済の動きにも注視していく必要がありそうです。
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