2012/10/13
13:22:57

2012.10.7号の日経ヴェリタスに興味深いコラムがありましたのでご紹介します。題名は『200年の歴史が示す回復には23年』というもので、日経ヴェリタスの編集員がビンセント・ラインハート氏にインタビューしたものをまとめた記事となります。
ビンセント・ラインハート氏はFRBで金融政策局長などを歴任しており、現在は米モルガン・スタンレー チーフ米国エコノミストをされております。
記事の内容は見て頂ければ分かりますが、特に自分が興味深いと思ったのは「過大な債務を抱えた国の経済がどうなるのか、200年にわたりさかのぼって調べた研究成果」という部分です。まさに、日本が陥っている状況にあるからです。
それによりますと、発見は4つあったとのことです。
1つめは過剰債務自体はまれな現象で、過去200年で26の事例しかなかった。
2つめは、過剰債務に陥ると脱出までに時間がかかること。過剰債務からの脱出には23年あまり掛かる事例が多かった。
3つめはコストの高さ。過剰債務を抱えた期間はGDPを平均1.2ポイント押し下げる。
4つめは過剰債務が必ずしも金利に影響をする訳ではない。26の事例のうち11の事例では実質金利の大きな上昇は見られなかったとのことです。まさに、日本はこの事例に当てはまると思われます。
なぜ金利の大きな上昇が見られなかったかというと、政府は公的債務が膨らむとさらなる債務の引受けてを作り出そうと動くというのがその理由です。
エコノミストの中には「金利が低位安定しているから、日本国債は大丈夫だ」との論理を展開する人もいますが、上記の研究結果からはそうした金利水準だけで大丈夫という結論は危険なのかもしれません。
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