2013/06/03
12:16:03

日経ヴェリタス2013.6.2号に興味深い記事がありましたので、本日はこれを取り上げてみたいと思っています。
題名は「危うい債券市場の警告機能」というもので、RPテック代表取締役の倉都康行氏による記事となります。
ここのところ株価は不安定な傾向にありますが、アベノミクス効果により昨年秋よりも上昇してきております。ところが、債券市場に目を向けると4/4に日銀が「質的・量的緩和」という異次元の金融政策をしたにも関わらず、10年債利回りは0.315%下落後に、0.6%台へと逆もどりをし、5/23には1%台へとなりました。
この原因に付いて、倉都氏は「国債の需給バランスの崩れであり、まとまった売り物に対して誰も買わなくなってことが原因ではないか」と解説しています。
ただし、誤算は長期金利が思ったように下落せず、国債市場に無用の不安感を与えてしまったことだとも付け加えています。
さらに、もう1つの懸念としては日銀の黒田総裁が月例経済報告等に関する関係閣僚会議において、「経済・物価見通しの改善で金利が上昇するのは当然だ」という説明をしていることだとも指摘しています。
「経済全般の認識として、円安と株高が日本の抱える諸問題を一掃してしまったかのような楽観ムードが蔓延している。しかし、長期金利の思わぬ上昇を通じて、市場経済の根幹をなす金融市場の土台とも言える国債市場で、プライシング機能が毀損されてしまったことが浮き彫りになった。」
こうして、債券市場での警告機能が失われて行くことに警戒感を抱いているようです。
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