2014/10/10
12:57:01

日経ヴェリタス2014.10.5号に野口悠紀雄氏が寄稿した『将来の金利が示す日本の危機』という記事がありましたので、本日はこれを取り上げてみます。
「フォワードレートにより算出される将来の国債金利は、現在のものと比べると著しく高い。これは何を意味するのか?先物レートは現物レートの予測値ではなく、それよりもリスクプレミアムだけ高い。しかし、計算後の差はそれだけでは説明できない。現物レートそのものが上昇すると予測されている可能性が極めて高い。」
野口は上記のように述べております。つまり、現在の1年債レートは著しく低く、5年後にはかなり上がると考えられている可能性が高いと思われるとのことです。
その理由としては、物価上昇によって名目金利が受動的に上がることかもしれませんし、金融緩和が終了することからくるものかもしれないと考えられるようです。どちらにしても、現在の金利は異常に低く、いずれ上昇すると考えられます。
10年債のフォワードレートを計算してみると「将来における利回りは2%程度」となるようです。これは金融機関の保有する国債の価値が下落する(金利が上昇するため)ということになります。また、これにより国債の利払い費が増加し、現在の約10兆円から約30兆円になると予想されます。
この差の20兆円を支出の削減、または増税、または国債の増発によって調達しなければならなく、日本の財政は危機的な状況になると警告しています。
現在でも危機的な状況で、この先さらに悪化するという予測は、読者の方には釈迦に説法でしょう。ただし、それを回避するような財政削減策は一向に示されず、成長戦略も示されません。そうなると、増税か、インフレによる債務削減しか残された道はないような気がしております。
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