2015/02/13
12:38:16

日経ヴェリタスに野口悠紀雄氏が寄稿した「ドル1強の裏に米の産業転換」という記事がありましたので、本日はこれを取り上げてみたいと思っています。
日欧が金融緩和をし、一方で米国は金融緩和を停止したためドル高(円に対しても、ユーロに対しても)が進んでいます。通貨面でのドル1強の背景には、実体経済における米国の1強状態があると言っています。
日欧では自動車産業などの製造業に占める就業者の割合が高く、リーマンショックで大きな打撃を受けたのが製造業だったために、製造業の比率が高い国ほど回復が遅れているというわけです。
他方で米国はドル高になっても被害を受けることはないとしています。
その理由は、経済を牽引している産業は高度サービス産業であり、製造業もアップルのように製造過程を海外にアウトソースしているために、むしろドル高の方が良いというわけなのです。
米国はこの30年で大きく産業構造が変わり、一方で日欧は変化が小さい。この違いがいまリーマンショックからの回復に大きく響いていると述べています。
著書「変わった世界 変わらない日本」の中でも「製造業に代わって雇用を引き受ける”生産性の高いサービス産業(IT関連サービス業や金融業など)を育成できるかが重要だ」と述べていますが、「”ものづくり日本”の復活」を宣言している総理の下では円安により製造業を守ることを主題に置いていますので、このような次世代に向けた産業構造改革は難しいのでは・・・と考えています。
このまま”日沈む国”とならないように願うばかりです。
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