2015/03/02
12:27:15

週刊東洋経済に野口悠紀雄氏が寄稿した「政府は金利上昇を認めている」という記事がありましたので、本日はこれを取り上げてみます。
記事の中で、日米の製造業の資本収益率(製造業の総資本に対する営業利益率)を比較していますが、日本は下落し続けているのに対し、米国は低下していない状況です。
この理由を、「米国ではアップルのように、世界的な広がりで水平分業を行い、製造部門を持たないファブレスな(工場のない)製造業が台頭した。工場を持たないため、収益率は極めて高い。一方、日本ではいまだに垂直統合にこだわっている。日本の産業構造は世界的な経済変化に対応しておらず、古い構造のままになっている。自前の大工場を抱えていれば、収益率が落ちるのは当然だ」と述べています。
もう一つの原因は、米国のようにプロの経営者がいないことだとも指摘しています。日本の経営者のほとんどは、企業内の出世頭であり、自分の出身事業部などは時代遅れとなっても切れないとしています。
また、後半部分では日銀の出口戦略について書かれています。先日の藤巻氏の本の中でも言及していましたが、野口氏も日銀の出口戦略に関しては懐疑的なようです。国債のほとんどを日銀が購入している状況(今後さらにそうなる)で、日銀が購入を止めただけで、金利は上昇します。
ましてや、売却などしたら金利上昇(国債価格の下落)となりますので、それさえもできないという状態に追い込まれてきているのです。
日銀は国債を買い続けることになるのです。そして、どこかで・・・。
最後には国民につけが回ってくるのは確実なのに、今の状況に国民は危機感を持っていないと警告しています。本当にその通りだと思います。
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