2015/05/04
12:06:08

田中 宇氏の著著である「金融世界大戦 第三次大戦はすでに始まっている」を読みましたので、まとめを書いてみたいと思っています。
この本は著者のウェブサイト「田中宇の国際ニュース解説」の記事をまとめたものだとのことです。上記のサイトは、自分も時々拝見させて頂いているのですが、西側の息が掛かった報道しかされない日本のマスコミとは違い、別の視点から捉えたもので、昨今の日本の報道姿勢から見る価値があると思っております。
題名にもありますが、近年は兵器を使用した戦争ではなく、金融戦争であり、既に第三次大戦は始まっているともと述べています。
下記は「あとがき」の一部になりますが、今後の世界、日本に関して興味深い見方をしていますのでご紹介します。
『先進諸国の中央銀行は、それぞれが単独で自立している建前だが、現実はそうではなく、世界の為替を安定化する目的で、FRBが主導する世界的なネットワークを形成している。FRBは世界を緩和策へ誘導し、これにより米国の債権金融システムや金融界が蘇生して健全な状態に戻り、米国覇権が世界経済の安定や発展に寄与する状況が再生するなら、FRBが世界に緩和策を強要して各国の市場が混乱しても、やむを得ないことと考えられなくもない。
しかし緩和策は、米国の金融システムを延命するだけで、蘇生させない。
FRB自身が6年間QEの緩和策をやったが、金融システムは蘇生しなかった。QEは不健全な政策だ。
FRBは自国の金融システムと通貨を守るため、不健全な政策を世界に採らせている。だから、ドイツはECBのQEに反対し続けたし、スイスの中央銀行はQEに参加せず、為替の急上昇を容認した。各国の金融当局者の間で、米国のやり方に対する懸念が強まっている。
この事態が続くと、今の緩和策が世界経済に悪影響を及ぼしていることが次第に判明する中で、FRBに対する信用が失われ、中銀ネットワークから静かに離脱しようとする諸国があらわれ、米国の金融覇権体制が崩れていくだろう。
すでに、米ドルを貿易決済通貨として使わないようにする国が、中露をはじめとして増えている。
ドルや米国債に代わる新たな経済覇権体制の定着には、時間がかかる可能性が高い。過渡期として、金地金を基軸通貨として使わざるを得なくなり、金本位制が復活するかもしれない。必然的に金地金は高騰するだろう。
世界が再び大きな金融危機に近づいていることは、日本を含む先進諸国のマスコミで全く報じられていない。金融危機と逆方向の、米国や日本の「景気回復」が喧伝されている。景気回復報道は意図的なウソである。
マスコミや「金融専門家」たちは国際金融界の意を受け、金融システムを延長させるため、人々に実体経済の悪化を教えないようにしている。多くの人々は何も知らないので、QEなど有害な政策を批判せず、来るべき巨大な金融危機に対しては何の準備もしていない。
米国に気に入られようとして積極的にQEの自滅策を採ったのが、わが日本だ。
日本は、米国より先に、国債金利の高騰による財政破綻が起きるかもしれない。
年金の給付減や支払い停止も起きるだろう。
日本はすでに不況だが、今後さらに事態が大幅に悪化することが不可避だ。
残念なことに、今後5年から20年後ぐらいにかけての日本の将来は非常に暗い。』
近い将来にくるであろう金融危機、そして日本の財政危機に備えておく必要があると思っています。その時まで・・そう多くの時間が残されていないと思われます。
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