2015/08/22
12:00:54

日経ヴェリタスに「制度的欠陥を抱えるユーロ」という野口悠紀雄氏の寄稿した記事がありましたので、本日はこれを取り上げてみたいと思います。
ユーロに関して、(ブログで)制度的な欠陥を書いてきましたが、8/16の日経ヴェリタスで、野口氏は「ユーロの決済システムの制度的欠陥」を取り上げています。ここでのポイントは「target2」と呼ばれる決済システムです。
(ギリシャ人が)ギリシャの銀行預金のユーロを引き出してドイツの銀行に預けた場合に、「target 2」と呼ばれる決済システムを通じて決済が行われ、ドイツが自動的にギリシャに貸し付けたことになるとのことです。そのため、ギリシャの銀行預金が激減し、ギリシャ経済が円滑に回らなくなったのです。
仮にギリシャがユーロに加盟していなければ、ギリシャ中央銀行が一時的な資金の貸し付けを行うことができます。ところが、ギリシャがユーロに加盟している限り、ECBの許可がない限りできないというわけです。
野口氏はユーロのシステムについて、下記の問題点を指摘しています。
「第1に、貿易不均衡があってもtarget 2によって自動的にファイナンスされてしまい、不均衡を是正しようとする市場の圧力が働かない。
第2に、ギリシャの国内銀行が取り付け騒ぎに直面しても、ギリシャの中央銀行だけで対処することが出来ない」
現時点ではギリシャ問題は小康状態を保っていますが、制度的欠陥が改善されたわけではありませんので、再び激震に見舞われることは必至だと思っています。
そうしたこともあり、自分はユーロ建て投資は一切していないのです。
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