2015/12/30
12:21:21

浅井 隆氏の著著「ギリシャの次は日本だ!」 を読んでみましたので、興味深い箇所をまとめてみたいと思います。
この本の前半部分では、2015年6月末にギリシャで行われた銀行閉鎖の現地レポートをまとめています。一度、銀行封鎖になると、政府が事前に約束していた期間で終了する例はほとんどなく、ほとんどの国(キプロスやアイスランドなど)では延長されてきたという過去を紹介しています。
そして、本題の「ギリシャの次は日本だ」・・となるのかどうかです。
直ぐにと言えば、可能性は”ゼロ”でしょう。
本の中で、「富士通総研」のエグゼクティブ・フェローの早川英男(元日本銀行統計調査局長、元日銀理事)氏の2015年7月3日の講演内容を紹介しています。
『日銀が実施している量的・質的(QQE)の失敗する確率が8割に高まった。
失敗とは、長期金利の急騰や急激な円安を招く事態だ。
政府が2015年6月末に決定した「骨太の方針」で示されている財政健全化計画は「楽観的前提に基づく経済再生ケースを前提としているうえ、具体的な歳出削減目標も示されず、信頼性に乏しい。
2%のインフレ目標が達成した時点で、市場が日本の財政の持続可能性を信じていなければ、「日銀が国債買い入れを止める際に金利が急騰する。買い入れを継続しても、円安とインフレのスパイラルになる。
現実には長期金利の急騰よりも、先に円の急落が起こる可能性がある。
そして、そうした事態になれば、政府は資本規制の導入を余儀なくされる。』
日銀統計調査局長や日銀理事を経験している早川氏の指摘・警告は決して無視できるものではないと思いました。もちろん、日本とギリシャは市場規模も、国の規模も違いますので、こうした事態が起こるかどうかは分かりません。
ただし、こうした予測も想定外とせず、準備はしておいても損はないと思います。