2016/09/24
12:20:44

少し前の本になりますが、坂下 仁氏の著書「いますぐ妻を社長にしなさい」を読みましたので、まとめを書いてみたいと思います。
この本を読んだ感想としては、「良いことを言っているな」という部分と、「これは違うのではないか」と思う部分があったことです。
この本は「会社員である人が、(会社員を続けながら)どうやったら収入を増やせるのか?」を書いた本というのが大まかなまとめだと思います。
著者の坂下氏は、大手銀行に勤めている方で、株式投資の失敗からどん底に陥り、そこからどうやって這い上がって、現在の生活を築いたかを紹介しています。
ここで良いなと思った点は以下の記述です。
『結論からいうと、世の中の人々の感謝の気持ちやお詫びの気持ち、それがお金の正体です。社会に何らかの貢献をして、誰かを幸せにした結果として、あなたのもとに集まってくるものがお金なのです。
そして、通貨とは「感謝の気持ちやお詫びの気持ち」をわかりやすく「見える化」したものにすぎません。』
『すなわち、お金の本質が見え始めると「感謝の気持ちをたくさん生み出した人ほどお金持ちになれる」ということがわかるようになります。』
そして、会社員の方は、妻を社長としてプライベートカンパニー(法人)を設立するのが良いと提唱しています。これは、会社員を継続しながら副業をするために、誰かを立てる必要があるということから、「妻を・・」という題名にしているだけで、両親などでも構わないわけです。
事業をおこすには、個人事業主でも良いのですが、法人の方がスマートに節税対策が取れるとも述べています。例えば、従業員との慰安旅行を計画することができるようになったり(個人事業の場合には社員旅行を費用とすることはできない)、その他にも、出張手当は個人事業では支払えないが、法人では支払えるなど、税金面でのメリットが大きいとも紹介しています。
また、法人化することで、取引先からの信用力や銀行からの借り入れのしやすさも上がり、経営の自由度が飛躍的に高まるともしています。
では、こうして設立したプライベートカンパニーですが、どのような事業を展開すれば良いのでしょうか? ここでは、5つのポイントをあげています。
1)小さな金額から始められること
2)利他的なビジネスであること
3)簡単に学べて再現性があり、片手間で手軽にできること
4)家事の合間にできて、ムリなく続けられること
5)他人まかせにしないで、妻がコントロールできること
こうした条件の中で、著者が選んだ事業は「大家業(不動産投資)」だということです。事業化に適した趣味や特技、あるいはやりたいことがこれといって見当たらない方は、大家業を選ぶのが一番無難だと述べています。
5の部分ですが、他のページで「もっとも大切なのは、コントロールできるか否かという視点」だとも述べています。この点はまったくその通りだと思います。
過去のビジネスファンドの例をみてみますと、事業が頓挫したり、社長が資金を持ち逃げしたり、そもそも詐欺だったりと、様々なことが起こっています。
これは事業を(投資家が)コントロールできないために、起こったものです。
一方、大家業にもコントロールできない点があることを見逃していると思いました。それは人口動態で、今後の日本は急速な人口減少が起こってきます。
確かに保有している物件は、オーナー自身がコントロールできるものですが、人口減少社会の到来という根本的な問題はコントロール不可能で、これに流動性リスクを合わせると、今後の日本で大家業が果たしてどうか?という疑問が残ります。
つい先日も夕方のTVで、大家業に参入したい個人投資家を取り上げていましたが、個人がどんどん市場に参入してくるような状況は(不動産価格の)天井付近ではないかともみています。
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