2017/01/24
12:32:27

中原圭介氏の著書「経済はこう動く 2017年版」を読みましたので、今回は気になった部分を書いてみようと思います。
アベノミクス2でGDPを600兆円にすると言っていますが、そもそも中原氏はGDPが正確な経済指標であると考えていないと述べています。GDP成長率と国民生活の向上に相関があったのは、グローバル経済が始まる前の2000年までだろうと考えているとのことです。
仮に、GDPが絶対的に正しい経済指標であるのならば、2000年以降、米国のGDPが右肩上がりを続けてきたのと反比例するかのように、国民生活が悪化の一途を辿っていたという事実を、どのように考えればいいのか?とも述べています。
確かに、我々はこうした数字でごまかされる部分があり、失業率や有効求人倍率などのデータも同様です。
話は変わり、今後のドル円相場に関しても書いています。
長期的なドル円相場のトレンドを見るうえで重視する基準は、「購買力平価」でみるとどうなるかということだとしています。
購買力平価とはその国の通貨でどれだけのモノが買えるかという購買力を基準にして、その時の為替相場が高いのか、安いのかを見極めるための物差しのようなもので、短期・中期の相場予想には適さないですが、長期の相場動向を予測するうえでは非常に有効な判断基準になると紹介しています。
また、適正なドル円相場を考えるうえでは、米国と日本の2カ国間の企業物価の動向を比べ、通貨の相対的な価値を測るという方法が力を発揮するとしています。
消費者物価指数の場合、その指標そのものが対外競争力とは直接関係しない非貿易財を多く含んでいるため、実勢レートとの乖離が大きくなるようです。

上記は国際通貨研究所が出している購買力平価のグラフ(ドル円)です。
実勢レートは12/22のデータとなっています。これをみますと企業物価は96.85円を示しており、実勢レートはそれよりも円安に振れていることが分かります。
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