2011/06/06
14:49:36
昨日の続きです。下記が2009-2011年の比較グラフとなります。

2009年以降ADP、Winton共にマイナス傾向となり、Wintonは2010年3月末に100.17%と回復するまで100%以下となりました。しかしながらそこから回復し、2011年3月末現在で111.41%となっております。
次にADPですが、グラフをご覧いただくと一目瞭然ですが、2010年2月末には79.1%とかなり悪化しましたが、2011年3月末現在で90.2%までやっと戻したといった感じです。
2008年年末までは同じ傾向だった両ファンドが2009年以降になぜパフォーマンス乖離を生んだのでしょうか?
これに関しては、一投資家である自分としては「これだ!」という理由は分かりませんが、なんとなく頭にあるのが、ADPが短期トレンドもフォローできるようにプログラムを変更したことに理由があるのではないかと・・・。
以下は2011年2月28日自分のブログからの引用です。Winton Futures Fundについての報告書のサマリーになります。
**************************************************************************
少し前の話題になりますが、2009年のWinton Futures Fund(以下WFF)は2月からの6ヶ月を含めて、12ヶ月中8ヶ月の損失を計上しており、特に6ヶ月連続の損失形状は過去最長の月間マイナスパフォーマンスとなっております。
2010年に入ってからも7ヶ月のうち3ヶ月で損失を計上しております。結果としてWFFは運用開始以来、2009年に初めて暦年ベースで損失を計上しました。
しかしながら、WFFのパフォーマンスを分析した結果、WFFの過去の収益分布から逸脱してはいないということは言えます。度重なる損失を耐え抜くのは非常に困難ですが、現時点では想定範囲に収まっています。
Winton社は試算上、10ヶ月のうち4ヶ月は損失を計上し、6年のうち1年はマイナスパフォーマンスとなることを想定しております。
また、Winton社の投資アプローチは過去の出来事に関する精緻な研究を基本としています。その研究によると、各個別システムまたはポートフォリオ全体が損失を計上することは特異なことではありません。
「ごく普通」のトレンドフォローシステムのシュミレーション結果によると、過去40年で回復に1年以上を要するドローダウンは6回あり、そのうち1回は回復に2年以上を要しています。
Winton社はトレンドフォロー戦略を用いている他のファンドが同じタイミングで、同じ方向の取引を行うことが頻繁にあることを理解しております。
同種の取引システムを用いた投資家による取引が、一定の取引に集中することは1987年の株式大暴落を深刻化させたことなどから幅広く認識されています。
WFFは同種戦略による集団的な取引に参加することが少なくなるよう、運用システムに幾つかの変更を加えております。
結果的に他のCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)ファンドよりも反応が遅れているように見える場合がありますが、これはより大きな動きを捉える方が安全であると判断しているためです。
WFFは、短期的に損失を計上するリスクを受け入れた方が、長期的にはより優れた結果をもたらすと考えています。
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つまり、ここから読み取れるのは、Wintonは中長期のトレンドを捉える基本的な姿勢を変えていないということが分かります。
仮に、ADPが短期トレンドと想定したよりも実際には短期にトレンドの転換が起こってしまっているとしたら・・・つまりトレンドが逆の逆(正のトレンド)になってしまっていても、ADPは逆のトレンドだと判断してしまっているとすると、結果的に動かなかったWintonの方が正解だったのかもしれません。

2009年以降ADP、Winton共にマイナス傾向となり、Wintonは2010年3月末に100.17%と回復するまで100%以下となりました。しかしながらそこから回復し、2011年3月末現在で111.41%となっております。
次にADPですが、グラフをご覧いただくと一目瞭然ですが、2010年2月末には79.1%とかなり悪化しましたが、2011年3月末現在で90.2%までやっと戻したといった感じです。
2008年年末までは同じ傾向だった両ファンドが2009年以降になぜパフォーマンス乖離を生んだのでしょうか?
これに関しては、一投資家である自分としては「これだ!」という理由は分かりませんが、なんとなく頭にあるのが、ADPが短期トレンドもフォローできるようにプログラムを変更したことに理由があるのではないかと・・・。
以下は2011年2月28日自分のブログからの引用です。Winton Futures Fundについての報告書のサマリーになります。
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少し前の話題になりますが、2009年のWinton Futures Fund(以下WFF)は2月からの6ヶ月を含めて、12ヶ月中8ヶ月の損失を計上しており、特に6ヶ月連続の損失形状は過去最長の月間マイナスパフォーマンスとなっております。
2010年に入ってからも7ヶ月のうち3ヶ月で損失を計上しております。結果としてWFFは運用開始以来、2009年に初めて暦年ベースで損失を計上しました。
しかしながら、WFFのパフォーマンスを分析した結果、WFFの過去の収益分布から逸脱してはいないということは言えます。度重なる損失を耐え抜くのは非常に困難ですが、現時点では想定範囲に収まっています。
Winton社は試算上、10ヶ月のうち4ヶ月は損失を計上し、6年のうち1年はマイナスパフォーマンスとなることを想定しております。
また、Winton社の投資アプローチは過去の出来事に関する精緻な研究を基本としています。その研究によると、各個別システムまたはポートフォリオ全体が損失を計上することは特異なことではありません。
「ごく普通」のトレンドフォローシステムのシュミレーション結果によると、過去40年で回復に1年以上を要するドローダウンは6回あり、そのうち1回は回復に2年以上を要しています。
Winton社はトレンドフォロー戦略を用いている他のファンドが同じタイミングで、同じ方向の取引を行うことが頻繁にあることを理解しております。
同種の取引システムを用いた投資家による取引が、一定の取引に集中することは1987年の株式大暴落を深刻化させたことなどから幅広く認識されています。
WFFは同種戦略による集団的な取引に参加することが少なくなるよう、運用システムに幾つかの変更を加えております。
結果的に他のCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)ファンドよりも反応が遅れているように見える場合がありますが、これはより大きな動きを捉える方が安全であると判断しているためです。
WFFは、短期的に損失を計上するリスクを受け入れた方が、長期的にはより優れた結果をもたらすと考えています。
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つまり、ここから読み取れるのは、Wintonは中長期のトレンドを捉える基本的な姿勢を変えていないということが分かります。
仮に、ADPが短期トレンドと想定したよりも実際には短期にトレンドの転換が起こってしまっているとしたら・・・つまりトレンドが逆の逆(正のトレンド)になってしまっていても、ADPは逆のトレンドだと判断してしまっているとすると、結果的に動かなかったWintonの方が正解だったのかもしれません。
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コメント
Re: なるほど。
富裕層向けのWintonに、庶民派のAHL。
判官びいきという訳ではありませんが(笑)AHLには健闘してもらいたいところです。
判官びいきという訳ではありませんが(笑)AHLには健闘してもらいたいところです。
たま│URL│2011/06/07(Tue)22:51:29│
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ただ、直近の4月、5月の結果だけで比較してみると、4月の上昇トレンドキャッチ、5月の乱高下による下落リスク回避ともにAHLの方がWintonに勝っている感じもしますね。
と言っても年初来ではやはりWintonが勝っている訳で、2009年以降を相対的に見るとWintonの方に軍配が上がるのは間違い無さそうです。
このままライバルに負けてしまうのか…AHL。と煽りつつ、続編に期待します(笑)