2012/01/23
12:38:51
訴訟対策ファンド・CLシリーズ4の勉強会に行ってきました。基本的な内容は以前にご紹介したストラタム・シリーズ5と同じです。引用しながら、変更点を加筆してあります。
このファンドは、訴訟を起こす方(原告)を助ける立場であるということです。
1999年に英国の法律が変わって、第3者が代わりに訴えても良い制度になったのです。まず、「訴えたい」という人は街の弁護士事務所に相談に行きますよね。
そこで、その弁護士事務所を通じて訴訟を起こすのか、もうひとつの方法として第3者がその方の代わりに全てを代行してくれるけれど費用はかかるという方法のどちらかを選択するということになるのです。
その時に、訴訟を起こしたい人が「お金はかかるけれど、面倒くさいこと全部を引き受けてくれるのであればお願いしようか・・・」と決めた場合に初めて出番が回って来ます。
そうなった場合に、訴訟対策ファンドチームに案件が回ってくるのです。チームでは勝訴できそう(和解でもOK)な案件かどうかを精査するわけです。
そこで、勝てそうだという結論が出た案件について、訴訟を起こす人に金利をつけて訴訟費用を貸し出すというスキームです。
我々投資家はその費用を負担するということなのです。
解説すれば実に単純なスキームではあります。ただし、専門家が精査した案件でも86%の勝率が過去のデータだそうです。つまり、14%は敗訴という結果です。
勝訴した場合には、勝訴した金額以外にも、裁判費用も相手が持ってくれます。しかし、負けた場合には困りますよね。訴えたは良いが、負けた場合にはお金を取れないだけではなく、相手の裁判費用も負担しなければならないのです。
これでは困ってしまうので、そこでアフター・ザ・イベント(ATE)保険(保険料は元本の30%と高い)というのを掛けておくのです。つまり、その保険では敗訴時に請求される訴訟相手の経費をカバーするだけではなく、保険料や利息(原告に貸し付けている金利)を含む投資対象の費用・投資家の元本と利回りを確保するのです。
この保険を掛けておくことで、敗訴時に役に立つのです。ただし、それでもこの保険が利用できない時があります。
それはどんな時かというと「勝訴したが、その後相手方が倒産した」などのケースです。 勝訴したのでATE保険は利用できないというわけです。
こうしたことに備えて、さらに備えをしています。
それは、「Stop Loss Bond」と言われるもので、そうした事態に対して損失を補填するものです。
上記のような仕組みで元本確保と金利確保のスキームは構成されているのですが、敗訴になりそうな段階でATE保険会社が倒産した場合には、このスキームがうまく機能しない可能性があります。
なぜなら、負けが予想される(保険金を支払う可能性の高い)ケースでの保険の引受先があるとは思えないからです。
そうなった場合には、元本確保のスキームが崩れるということもあるということです。これは、投資リスクとして理解しておく必要があります。
ただ、ATE保険を依頼している保険会社は、格付けが"A"以上の保険会社を指定しています。また、案件ごとに見積を取って保険会社を決定しているようです。
次に、投資家の利益はどうなるのかという話です。4.5%のクーポン(金利)が半年ごとに支払われ、3年後の満期時に9%の満期ボーナスが支払われます。
勝訴した場合には、訴訟費用も相手が出してくれるので、投資家にも20%の勝訴ボーナスが支給されます。
ケースごとに簡単に考えてみましょう。
全て敗訴の場合には、12%×3=36%(年利12%)
80%勝訴の場合には、12%×3+20%×80%=52%(年利17.3%)
全て勝訴の場合には、12%×3+20%=56%(年利18.7%)
となる計算です。ただし、早期に勝訴した場合には新しい案件が割り当てられますので、新しい案件でも勝訴ボーナスを得るという場合もあります。そうなった場合にはもう少し上振れをする可能性もあります。
最後に、リスクの問題を考えてみたいと思います。
「これだけ立て続けに訴訟対策ファンドを組成しているが、案件自体は大丈夫なのか?」という質問をしてみました。
これに関しては、多くの投資家が感じていると思いましたので・・・。
「現時点では十分な案件を保有しているので大丈夫」、「募集だけ先行して、案件がないということは"ない"」ということでした。
自分なりの解釈としては、前回のユニット1では大型案件を17ケース割当てるということでしたので、割当に余るような端数的なものが出てきて、今回のCLシリーズ4の募集になったのではないかと考えています。
流動性リクスの問題ですが、これに関しても新たな情報を得られました。
中途解約には、引き受け希望者がいないと不可ということですが、引き受けたいという投資家が多くいるということでした。
ただし、中途解約には違約金が6%程度発生するということは事前に理解しておく必要があります。
このファンドは、訴訟を起こす方(原告)を助ける立場であるということです。
1999年に英国の法律が変わって、第3者が代わりに訴えても良い制度になったのです。まず、「訴えたい」という人は街の弁護士事務所に相談に行きますよね。
そこで、その弁護士事務所を通じて訴訟を起こすのか、もうひとつの方法として第3者がその方の代わりに全てを代行してくれるけれど費用はかかるという方法のどちらかを選択するということになるのです。
その時に、訴訟を起こしたい人が「お金はかかるけれど、面倒くさいこと全部を引き受けてくれるのであればお願いしようか・・・」と決めた場合に初めて出番が回って来ます。
そうなった場合に、訴訟対策ファンドチームに案件が回ってくるのです。チームでは勝訴できそう(和解でもOK)な案件かどうかを精査するわけです。
そこで、勝てそうだという結論が出た案件について、訴訟を起こす人に金利をつけて訴訟費用を貸し出すというスキームです。
我々投資家はその費用を負担するということなのです。
解説すれば実に単純なスキームではあります。ただし、専門家が精査した案件でも86%の勝率が過去のデータだそうです。つまり、14%は敗訴という結果です。
勝訴した場合には、勝訴した金額以外にも、裁判費用も相手が持ってくれます。しかし、負けた場合には困りますよね。訴えたは良いが、負けた場合にはお金を取れないだけではなく、相手の裁判費用も負担しなければならないのです。
これでは困ってしまうので、そこでアフター・ザ・イベント(ATE)保険(保険料は元本の30%と高い)というのを掛けておくのです。つまり、その保険では敗訴時に請求される訴訟相手の経費をカバーするだけではなく、保険料や利息(原告に貸し付けている金利)を含む投資対象の費用・投資家の元本と利回りを確保するのです。
この保険を掛けておくことで、敗訴時に役に立つのです。ただし、それでもこの保険が利用できない時があります。
それはどんな時かというと「勝訴したが、その後相手方が倒産した」などのケースです。 勝訴したのでATE保険は利用できないというわけです。
こうしたことに備えて、さらに備えをしています。
それは、「Stop Loss Bond」と言われるもので、そうした事態に対して損失を補填するものです。
上記のような仕組みで元本確保と金利確保のスキームは構成されているのですが、敗訴になりそうな段階でATE保険会社が倒産した場合には、このスキームがうまく機能しない可能性があります。
なぜなら、負けが予想される(保険金を支払う可能性の高い)ケースでの保険の引受先があるとは思えないからです。
そうなった場合には、元本確保のスキームが崩れるということもあるということです。これは、投資リスクとして理解しておく必要があります。
ただ、ATE保険を依頼している保険会社は、格付けが"A"以上の保険会社を指定しています。また、案件ごとに見積を取って保険会社を決定しているようです。
次に、投資家の利益はどうなるのかという話です。4.5%のクーポン(金利)が半年ごとに支払われ、3年後の満期時に9%の満期ボーナスが支払われます。
勝訴した場合には、訴訟費用も相手が出してくれるので、投資家にも20%の勝訴ボーナスが支給されます。
ケースごとに簡単に考えてみましょう。
全て敗訴の場合には、12%×3=36%(年利12%)
80%勝訴の場合には、12%×3+20%×80%=52%(年利17.3%)
全て勝訴の場合には、12%×3+20%=56%(年利18.7%)
となる計算です。ただし、早期に勝訴した場合には新しい案件が割り当てられますので、新しい案件でも勝訴ボーナスを得るという場合もあります。そうなった場合にはもう少し上振れをする可能性もあります。
最後に、リスクの問題を考えてみたいと思います。
「これだけ立て続けに訴訟対策ファンドを組成しているが、案件自体は大丈夫なのか?」という質問をしてみました。
これに関しては、多くの投資家が感じていると思いましたので・・・。
「現時点では十分な案件を保有しているので大丈夫」、「募集だけ先行して、案件がないということは"ない"」ということでした。
自分なりの解釈としては、前回のユニット1では大型案件を17ケース割当てるということでしたので、割当に余るような端数的なものが出てきて、今回のCLシリーズ4の募集になったのではないかと考えています。
流動性リクスの問題ですが、これに関しても新たな情報を得られました。
中途解約には、引き受け希望者がいないと不可ということですが、引き受けたいという投資家が多くいるということでした。
ただし、中途解約には違約金が6%程度発生するということは事前に理解しておく必要があります。
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コメント
Re: No title
こんばんは。ケンタウルスに関しては、ドルとポンドのパフォーマンス差がない商品ですしね。というのも、ドルで融資した場合にはドルで返却されるからですね。そのあたりもちょっと面白いかなと思います。
景気動向に左右されず、安定的な商品は魅力的ですね。
景気動向に左右されず、安定的な商品は魅力的ですね。
じん│URL│2012/01/23(Mon)22:26:56│
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欧州債務危機など”リスクオフ”になると通貨安(ドル高)になりやすいですよね。ドルー円は別でけど。
海外投資していると、他通貨で持たざるを得ないので、ドルで安定的に10%++のリターンを出せるこのファンドには魅力を感じています。
今回は締め切りもちかいですし、パスするつもりですが、またあるようでしたら、次回あたりは追加投資してみようかと思っています。
ブログ投資とおしての今後のUPDATEも楽しみにしております。