2014/10/31
12:00:50

増田 悦佐氏の著書である『「景気は操作できる」と思っているエリートたちの大間違い』を読みました。
300ページ以上の本ですので、なかなか内容をご案内するのは難しいのですが、序章とあとがきの部分からまとめ的な部分をご紹介します。
氏は「景気循環について中央政府や中央銀行が出来ることは限定されている」と述べています。特に、政策当局がやるべきことは、「巨大企業が市場シェアを拡大しすぎ、価格支配力を持ちすぎないように監視して、特に不況期にも巨大産業の破綻を放置する勇気を持つことだ。政府が出来ることはそれぐらいしかないし、それ以上のことをしようとすると、必ず弊害の方が利益より大きくなる」と指摘しています。
「同じようなことは中央銀行にも言え、金融政策でできること、つまり金利の上げ下げやマネーストックの拡大縮小は、そもそも好況時に加熱を防ぐためにはある程度有効だが、不況時に景気を活性化させる役にはほとんど立たない。」
振り返って日本をみても、これだけの金融政策をしてきたにも関わらず、景気は回復するどころか、悪化していることからも景気回復効果の真偽は分かります。
「株価だけは景気が悪いままでも、資金さえ流入すれば上がるわけで、それどころか株価が上がることによって、本来であれば地道な設備投資に向かうべき資金を吸い上げてしまうので、景気回復を遅らせることすらある」と断罪しています。
政府は「株価が上がっているのは、景気が回復している証拠だ」ということをずっと言ってきましたが、それも”嘘”であったことが”一般の人々にも”バレ始めてきています。
9月の家計調査を見ても、2人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比5.6%減少(前年同月比は6ヶ月連続減)と、消費者は政府の言葉に踊らされず、賢明に”家計防衛体制”になっていることからも分かります。
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