2016/01/19
12:38:07

佐藤治彦氏の著書「普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話」を読んでみましたので、まとめを書いておこう思います。
読んだあとで気がついたのですが、昨年11月に情報をアップデートして新書として出版されているようです。後日、こちらの内容も見てみようと思っています。
さて、ここからは本の内容に入っていこうと思います。
著者は「小さく節約、節約とやっていても人生面白くないし、チリが積もっても小山程度にしかならないため、節約だけの人生を止めよう」と提案しています。
第二章では「禁・資産運用」とありますが、この部分は自分とは意見が違います。「アベノミクスによるインフレにどうやって対応していくのか?」については、株式インデックス投信や金利変動タイプの国債を勧めています。このブログをご覧の方には、「えー?」っと思われるでしょうけれど、投資の経験があまりない方向けの本としては、模範的な回答を目指したのかもしれません。
そして、次にご紹介しようと思いますのは、第5章の「ザ・住宅問題」です。副題には「買うべきか、借りるべきかの神学論争に終止符を」となっています。
総務省の家計調査によりますと、2012年の持ち家比率は、2人以上の世帯で81.4%と4年ぶりに過去最高になったとのことです。
しかしながら、ここでは、「もしも、買うかどうかで悩んでおられるのなら、慎重になった方がいいと思う」と述べています。
その理由の1つに、「お金を鎖で繋がない。牢獄に入れない」ということをあげています。住宅をローンで購入してしまいますと、何十年もの間、毎月一定額のお金を返済しなくてはいけません。今後の収入がどうなろうが、今後何十年もの間、毎月一定額のお金を返済しなくてはならず、まだ貰っていない、いくら貰えるかも分からないお金を払うと決めてしまっているわけです。
そのため、お金が自由に使えず、縛られたものとなってしまうのです。
お金の自由とは、何に使うのかの選択ができる(=自由に使えるお金)ということだと述べています。ローンを組んでしまったら、自由にならないというわけです。
では、今後土地の価格が上がる可能性はあるでしょうか?
この問いにも「否定的だ」と言及しています。この見解は自分とも同じものです。理由の1つは少子化、人口減少社会です。既に、不動産はあまっているためです。
さらに、持ち家のコスト・リスクなどもあげています。持ち家には固定資産税が掛かり、マンションであれば修繕積立金(一戸建てでも修繕費は必要)に、管理費も必要です。さらに、賃貸住宅であれば不要な水回りの劣化、外装の塗装、地震保険の負担などけっこうあります。(近年、地震保険料が上昇傾向になっています)
東日本大震災で、家が津波で流された後も、住宅ローンを抱えたまま生活再建を目指している方がいらっしゃるのは忘れることができません。賃貸住宅であれば、家財道具は新調する必要があるでしょうが、住宅本体に関しての責任は原則として全て家主が背負うことになるのです。
また、経済的な問題だけでなく、管理の善し悪し、欠陥住宅の問題、近隣住民とのトラブルなど、持ち家のリスクは多くあるというわけです。賃貸であれば、最悪の場合には、引っ越してしまえば済むのです。
最後に、「マイホームを売って自由になろう」と提案しています。
家を手放す良い時期については、不動産売買の負担にも耐えられ、子供が全員独立した、現役バリバリの50代に売却することをオススメすると書いています。
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック