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昨日の「バランスシート不況下の世界経済」 についての続きです。

現在、世界経済がバランスシート不況に陥っているということになります。
日本政府がいまやるべき政策は、財政再建ではなく、民間がお金を借りるようになるまで財政出動し、経済を支えていくことなのです。そして、民間が借りるようになった時点で、はじめて財政再建という手順となるわけです。ここを間違えていたために、今まで不況から脱出ができなかったというのです。

ただし、バブル崩壊で民間が(借金に)非常に懲りたものですから、この世代は「二度とお金など借りるか!」と思っているとも考えられ、そうなりますと本格的に回復するのは、次の世代になるということもあり得ます。
(日本の民間は既に2005年にはバランスシートは改善したのですが、お金は借りていない)これがバランスシート不況の怖いところというわけです。

さて、本日はユーロ危機のまとめを記載しておこうと思います。

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現在進行中のユーロ危機は、バランスシート不況論の最高の応用問題である。
いまこの危機をマクロ(景気の悪化)とミクロ(競争力格差の拡大)両面から理解するにはバランスシート不況という概念が不可欠だからだが、日米英欧のなかで最もこの概念に対する理解が不足しているのもユーロ圏である。

この危機はギリシャの放漫財政が表面化したことから始まるが、本件の悲劇はギリシャとはまったく逆のバランスシート不況に陥った国々が、ギリシャ危機を受けて同国と同じ政策対応を迫られ、事態を雪だるま式に悪化させてしまったことである。
そしてその背景には、ユーロの基礎になっているマーストリヒト条約がバランスシート不況にまったく対応していないという欠陥条約であるという点と、同じ通貨圏のなかに複数の国債市場が存在するというユーロ固有の極めて特殊な構造問題があった。

そもそものユーロ危機は、ユーロ圏最大のドイツ経済が1998年〜2000年にかけて世界的に発生したITバブルに個人も企業も大きくのめり込んでしまい、そのバブル崩壊で深刻なバランスシート不況に突入したのが始まりだ。バランスシートが傷んだ民間が一斉に債務の最小化に回ることで発生するバランスシート不況の典型であり、ここから来る景気の悪化を止めるには、政府がこの民間貯蓄の増加分を借りて使わなければならなかった。

しかし当時のドイツにはバランスシート不況という概念もなく、またマーストリヒト条約で財政赤字がGDPの3%を超えることを禁じられていた(ドイツ自身がこの条約を入れた)ため、ドイツ政府は機動的に財政出動ができず、ドイツの経済は悪化を続けたのである。

ユーロ圏最大のドイツ経済が悪いということは、ユーロ圏全体の景気も悪くなるということで、ECBは大幅な金融緩和を実施、ユーロ短期金利は2003年には2%まで引き下げられた。しかし、民間が債務の最小化に回って借り手不足のドイツ経済が良くなるはずもなく、この不況の原因は構造問題だとなった。ところが、構造改革をしたにもかかわらず、景気は良くならなかった。

その一方で、このECBの2001年以降の大幅な利下げは、ただでさえ通貨ユーロの導入で金利が下がったドイツ以外の国々で、大きな資産バブルを生むことになった。特にユーロ周縁国は、ITバブルにのめり込まなかった結果、この時点でバランスシートは極めて健全であった。

ドイツ以外の国々がECBの利下げに反応してお金を借りて住宅投資に走ったことで、これらの国々は大変な好景気となり、またそのことはドイツにとって大きな救いとなった。つまり、ドイツはこれらの国々に輸出を拡大することでバランスシート不況から脱却することができたのである。

この住宅バブルが2007年から崩壊し、ここから一斉に周縁国が深刻なバランスシート不況に陥ってしまったことが、現在のユーロ危機の主因になっているのである。

バランスシート不況下にある英米や日本の国債利回りが、続々と歴史的水準に下がって、政府の財政出動を支援してきたのに対し、同じくバランスシート不況になるスペインやアイルランドの国債の利回りが、逆に高騰してしまった背景には、他国にはないユーロ圏の特殊な事情が大きく影響している。

民間全体が債務の最小化に走っているということは、この国の資金運用者は自国の民間にお金を貸せないことになる。年金や生保などのようなALM(資産・負債の総合的なリスク管理)を厳しく求められている投資家に対しては、彼らが元本リスクや為替リスクを取りすぎないように各国政府が厳しい設定を設けている。

そうなるとこれらの大手投資家はどうしても自国通貨建てで元本の安全性が高い債権を求めることになるが、バランスシート不況下でその要求に応えられるのは自国の国債だけである。その結果、バランスシート不況下では機関投資家の資金が自国の国債に向かい、国債の利回りが大幅に下がって、政府の財政出動を支援するのである。

それでは、なぜユーロ圏の一部でそうならないかというと、これらの国々の大手機関投資家は、自国の国債以外に他のユーロ圏の国債を買っても為替リスクを負うことがないため、自国の財政赤字が大きすぎると思えば、財政問題のない他のユーロ参加国の国債を買ってしまうからである。

つまり、スペインなどの年金や生保は、自国の国債が嫌ならドイツの国債を買えばよく、そうなるとスペイン政府は自国内に大きな民間貯蓄が発生しても、その貯蓄が自国の国債ではなく、ドイツの国債に回ってしまうため、自国の国債は利回りが上がってしまいバランスシート不況下では不可欠な財政出動ができなくなってしまうのである。

また、ドラギ総裁はこれまでの経済学界と同様に、財政問題も不況も基本的に1種類しかないと考えているフシがある。実際は、民間の不手際で発生した財政赤字と、政府や政治家の不手際で発生した財政赤字とは全く性格が違うにもかかわらず、その違いが認識されていないのである。

つまり、放漫財政で自滅したギリシャを除けば、問題の本質は資本逃避であり、貯蓄不足ではないことに気がついていないのである。周縁国の問題は、放漫財政がもたらした通常の財政危機であり、財政再建こそ唯一の解決策だと信じているのである。


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  • Author:じん
  • 筆者(じん)は大学卒業後、小さな会社をやるかたわらで投資をスタート。
    投資で儲けたお金でおいしい食事とワインを飲む日々を目指して・・・。
    引退後は投資の利息で悠々自適生活を目論んでいるが・・・。

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