2017/03/24
11:00:45

少し前の本になりますが、副島隆彦氏の著書「ユーロ恐慌」(欧州壊滅と日本)を読みましたので、まとめを書いておこうと思います。
「ユーロ恐慌」と題して、欧州発の金融危機を予測しておりますが、日本についてもけっこうなページを割いて書かれています。
本日は、「現役ファンドマネージャーの最先端レポート」と題した章から抜粋してみたいと思います。この方は、外資系金融法人で株式と債券のトレーディングを専門とするファンドマネージャーで、金融の戦場で20年以上、生き延びてきたと紹介されています。
まず、欧州の状況ですが、「ドイツの金融は強くない」と言及しています。
問題を生み出しているのは、TARGET2という銀行間の決済システムで、ここに欧州の各国の中央銀行だけでなく、1000行ほどの欧州の民間銀行も接続しています。つまり、ECBは欧州の銀行間決済をTARGET2に集めているというわけです。
このTARGET2で決済され、各国間で相殺できなかった債権・債務が増大しているのが問題だとしています。ドイツはEUで最大の債権国となっていますが、債権先のスペインなどはドイツへの代金(輸入)がきちんと払えていないのです。
スペインが債権者であるドイツにお金を払えていないために、債権が焦げ付いているともしています。つまり、不良債権となっているというわけです。
ECBにはユーロ参加国すべての国の中央銀行が出資しており、その中でドイツは資本総額の1/4以上を出資しています。このまま、TARGET2での資金決済が債務超過が続きますと、ドイツがECBの債務の1/4以上を被ることを意味します。
そのため、ドイツ連銀の財務基盤は非常に弱く、「国家の金融システム自体が脆弱になりつつある」という話が業界内で広がっているとのことです。
一方、日本について、日銀は金融緩和を継続していますが、日本国債のイールドカーブが7年目(2023年)から急に右肩上がりになっていると指摘しています。
『償還年限が7年の国債から金利が急に高くなっている。このことが何を意味しているのか。ことは重大である。「マイナス金利は、あと7年しかもたない」と、マーケットが見ていることを示しているのだ。経済学者やアナリストが予測しているのではない。マーケット自身が「マイナス金利は、あと7年しかもたない」と、無言のメッセージを発している。』
『今のマイナス金利政策はあと7年で限界を迎える。これは「日本経済の寿命は、あと7年である」と、マーケットがメッセージをだしているのだ。』
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