2017/06/13
12:27:21

藤井厳喜氏の著書「日米対等」のまとめを書いておこうと思います。
「2017年1月20日、アメリカではトランプ大統領が誕生した。今後の日米関係や、閣僚人事から見たアメリカの政策について詳述し、それをふまえて日本がこれからどういう方向に進むべきかを、国防、外交、経済の点から鋭く考察した。はたして日本は、アメリカと対等につきあえる、自立した国となれるのだろうか。」
氏が考えるトランプ政治の基本は、まず強いアメリカ経済を作り、その経済力を以て、軍事的にも超大国を再生しようとするものだと言及しています。
トランプが敵と見定めているのは、第一にIS(イスラム国)であり、第二にはチャイナであるとしています。ISを壊滅させ、そしてチャイナの覇権国化の阻止を目的としているというわけです。
一方、週近平はアメリカを凌駕する覇権国化を国家目標にしているため、本格的な戦争はなくとも、フォークランド紛争程度の軍事衝突は、考えておいた方が良いとのことです。
仮にあるとすれば、南シナ海と東シナ海を舞台とする軍事衝突か、朝鮮半島をでの軍事衝突だともしています。いずれの場合にも、日本は当事者たらざるをえないため、アメリカとしっかりとした同盟関係を築き、この紛争を勝ち抜く以外に日本の未来はないとも述べています。
また、経済面ですが、トランプの方針から言って、日本との間でも自由貿易協定ではなく、保護貿易協定の色彩が色濃くなると思われると述べています。アメリカの輸出品は第一に兵器、第二に食糧、それに今後は石油・天然ガスや携帯電話や通信機器などのハイテク製品が増えていくと想定しています。
アメリカが日本に売りつけたいのは、ハイテク兵器であるため、防衛費を増やせと圧力をかけています。東シナ海や朝鮮半島の不穏な動きから、日本も防衛費を対GDP比2%程度に上昇させ、これでアメリカからハイテク兵器を購入したらどうか?とも述べています。
さらに、アベノミクスについて、財政出動が中途半端なため、日銀の金融緩和でドル高円安が進み、景気が良くなったのに経済成長は止まっている。だから大胆な財政出動を行うべきだともしています。また、根本的に間違っているのは、輸出の増大によって経済成長を引き起こそうとしている点だとも指摘しています。その理由は、貿易政策でマクロ経済政策の代替はできないためです。
マクロ経済政策は、金融政策と財政政策を組み合わせて実施し、国内需要を喚起するのが王道で、それをやらずに、外国に需要を求めて輸出をするというのは問題解決にならない。何よりも、日本のような経済大国がマクロ経済政策の代替を貿易政策に求めるのは、卑怯なことと言わざるをえないともしています。
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