2019/04/19
12:19:04

中原圭介氏の著書『AI×人口減少』を読みましたので、まとめを記載しておこうと思います。副題に「これから日本で何が起こるのか」とありますように、今後の日本に警鐘を鳴らしている本でもあります。
日本では今後の大きな流れとして、「AIによる自動化」という10年〜20年単位の中期的な並と、「少子化による人口減少」という70年〜100年単位の長期的な波の2つが押し寄せようとしているとしています。
「AIによる自動化」は今のところ、生産性を引き上げるのに加えて、人手不足を解消する手段として歓迎されていますが、AIの爆発的な普及がもたらす雇用への悪影響が軽視されていると警告しています。
そのため、早くも2020年半ばには、人余りが顕著になるのではと懸念し、これに多くの国民が気づいていないのでは・・と述べています。そのため、現在の人手不足の深刻さから、AIの脅威に鈍感になっているなかで、雇用危機への政府の対応は後手に回っていくだろうとしています。
一方、「少子化による人口減少」はじわじわとゆっくりと進行していくため、国民は目先の痛みを感じることができずに、人口減少を聞きとして意識できていません。「深刻で静かなる危機」と呼ぶべき人口減少は、変化があまりに緩慢であるために、国民がそれに慣れてしまい、政府も対応を先送りするとも述べています。
出生率が全国一低い東京が人口を維持できているのは、地方から若い人が流入し続けてきたためですが、これからは地方に代わって東京の老いが急速に進むことになります。東京の高齢化は消費の強い下押し圧力となると予想しています。
『さらに、今後、自動車といった高額消費財はもちろんのこと、バイクや自動車、衣服、バッグ・カバンなど、多くのモノがシェア(共有)される経済が広まっていく流れのなかでは、モノの生産と消費が縮小していかざるをえず、所得や消費にも下押し圧力がかかっていくのはやむをえません。』
『高齢化の進行、所得の減少、シェア経済の普及、消費の減少の4つの動きは、相互にマイナスの作用を及ぼし合い、経済成長率が今よりもいっそう伸び悩むことになるでしょう。少子高齢化が進む時代ではおそらく、1%未満の成長率が新しい常識となっているのではないでしょうか。』
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